犬・猫の腎臓病・腎不全を回復するには?
飼い猫の死因第一といわれる腎臓病『腎不全』は根本的治療法がなく、原因も明らかではありません。
然しながらペット漢方研究会 錦戸獣医科病院では漢方薬で慢性腎不全、腎臓病の悪化予防治療をしています。漢方の発送を行っておりますので、全国のワンちゃん、ネコちゃんの飼主さんへ対応可能となっております。
慢性腎不全の主な治療法は、現代の医学では、完治はなく、病院での治療も限界があります。
飼主さんも腎臓病の数値SDMAやクレアチニンを気にするとともに食事療法や水素水などもされている方も多数おられると思います。しかしながら、そもそも犬や猫がなぜ腎不全や腎臓病になるのか?を考えてみると対処法が見つかると思われます。
犬・猫の腎臓病にはどんな種類があるの?
犬・猫は腎臓病になりやすいといわれています。
腎臓腫瘍、高窒素血症、腎盂腎炎(じんうじんえん)、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん・PKD)、腎結石(じんけっせき)、アミロイドーシス、急性腎不全、慢性腎不全、球体腎炎など様々な腎疾患があり、疾患別に症状や対処法も違います。
その中でも特に『慢性腎不全』は、猫の場合、15歳以上になると3頭に1頭が抱える問題といわれ、高齢猫の宿命的な病とされています。
なぜ腎臓病、腎不全になるのか?
腎臓は、老廃物(ドロドロした血液)をろ過し、老廃物を尿として出し、綺麗な血液に浄化する働きがあります。サラサラとした血液に変えていくと腎臓への負担が減り、腎不全の悪化予防になります。
腎臓への負担
サラサラした血液になるための条件は、解毒の臓器である肝臓を元気にしてあげることです。例えば、私たち人間では、お酒をはじめ様々な医薬品、合成保存料などの食品添加物などは肝臓で代謝されます。そのため肝臓がダメージを受けると、血液がドロドロしてきて、腎臓に負担がかかり腎不全になるといわれています。
腸内環境の悪化
また、もう1つ重要なのが『腸内環境』です。特に抗生物質や過剰な化学薬品の取り過ぎにより、腸内環境が乱れてしまうと、お腹の中の善玉菌が、食品を良質な栄養素に変換できず、悪いまま体内へ入っていき、その結果、肝臓と腎臓に負担がかかるといわれております。
高たんぱく、高脂質の食事
腎臓病や腎不全の原因として、高たんぱく、高脂質の食事が考えられます。
ワンちゃん、ネコちゃんがかわいいあまりに、美味しい高たんぱく、高脂質の食事を食べさせ過ぎていませんか?もともと野生動物は、毎日餌にありつけるわけではありません。
また、猫の場合、腎臓のネフロンが他の動物に比べて少ないので、その分ドロドロした血液が腎臓の少ないネフロンに負担をかけ、腎不全を起こしやすいと考えています。
実際、血中脂質を減らす役目のキノコ多糖体で治療すると、クレアチニンが下がってきたという例も見られました。
腎不全を抱えた犬・猫の食事療法3つのポイント
慢性腎不全で最も重要といわれているのが『食事療法』です。
病院で行われる採血の結果で、慢性腎不全の進行度が分かります。近年、ワンちゃんやネコちゃんの腎臓病の早期発見が期待できるバイオマーカー『SDMA』が開発されました。
『SDMA』は腎臓病がある場合、クレアチニンより先に上昇するといわれています。
これまでは約75%の腎機能が失われていないと異常を見つけ出せませんでしたが、『SDMA』の登場で、約45%から慢性腎不全の早期発見も可能となってきました。
このように、早期発見が可能となっている中で、できるだけ早いうちに漢方治療や食事療法を行うことが慢性腎不全と上手に付き合うポイントと思われます。
そこで、下記では食事療法の3つのポイントを解説します。
【SDMAに関して】
①腎臓に負担のかかる、リン、高たんぱく、塩分に気を付けましょう。
腎不全食や腎不全をサポートする目的のフードがあります。
かかりつけの獣医師がいる場合は、自己判断せずに一度相談しましょう。
②水を飲まないワンちゃん、ネコちゃんにはドライフードより、ウェットフードを与えましょう。
慢性腎不全によって、脱水症状になりやすくなります。また、慢性腎不全末期のワンちゃんやネコちゃんは自分で水を飲むことができなくなってしまうほど弱り切ってしまうこともあるようです。定期的に点滴を行うことがありますが、食事での水分補給も大切です。ウェットフードには水分がたくさん含まれています。特に高齢な場合、ドライフードよりも、ウェットフードの方が食べやすいでしょう。
また、食欲が低下し、なかなか食べてくれない場合はフードや手作り食を少し温めてあげるだけで、風味が増すので与え方も工夫しましょう。しかし、温めすぎには気をつけてくださいね。
③腎臓によいといわれている食品を取り入れましょう。
腎臓は、血液をろ過する働きがあります。慢性腎臓病になったワンちゃん、ネコちゃんは、腎機能の75%が働いていない状態のため、血液はドロドロになりやすく、カラダに十分な酸素や栄養を運んであげられない状態が続いてしまいます。また、ドロドロとした流れにくい血液を無理に流そうとして血圧が高くなり、高血圧により動脈硬化になってしまうこともあります。
その他に、腎臓には赤血球の産生を促す造血ホルモン(エリスロポエチン)を作る働きがあります。腎機能が低下してしまうとこの造血ホルモンが減少し、赤血球の産生が減少するため、『貧血』になりやすくなります。
そこで、おすすめの食事療法は、『血液をサラサラ』にし、『血をつくる』チカラが期待される漢方や薬膳食を食事と一緒に取り入れてあげることです。
ペット漢方研究会 錦戸獣医科病院での
慢性腎不全、腎臓病の漢方治療について
ペット漢方研究会 錦戸獣医科病院ではワンちゃん、ネコちゃんの腎不全、腎臓病に以下の対策をして、治療をお勧めしています。
- 肝臓を強くし、血液サラサラを目的とする漢方サプリメント
- 血液の脂質を減らす目的の漢方サプリメント
- 腎を補う(補腎作用)を持つ漢方サプリメント
【さいごに】犬・猫の腎臓病(腎不全)に
なぜ漢方薬を使うのか?
上記の通り、慢性腎不全は進行をいかに遅らせるかが治療の鍵となってきます。進行してしまった場合、ご自宅を離れ入院点滴を余儀なくされます。
入院はペットにおいて大きなストレスとなるため、可能な限りご自宅での看護を行うことが理想です。
ご自宅での看護としては、食事療法と薬品投与が中心となりますが、そこに東洋医学である漢方薬による薬物療法を組み合わせて看護することにより、病状の緩和をおこない、病気の進行をより遅らせることが期待できます。
【獣医師:錦戸正巳】
熊本で、漢方の良さを実感し、統合医学を志しています。
私は、難病の子たちに現代獣医学的観点に基づく治療と、漢方薬や私たちペット漢方研究会で開発した食べやすいサプリメントでの治療を、 併用して行っており、結果を出しています。難しい病気や重い病気を中心にしているため、日夜治療に追われていますが「より良いペットの漢方治療」推進のため、一肌脱ぐことにしました。
【経歴】
1977年 北海道酪農学園大学卒業 下関山県獣医科病院勤務
1981年 同病院 副院長を経て、熊本市に「錦戸獣医科病院」を開業