漢方薬について知ってもらいたいこと
現代の漢方薬について
一般的に「漢方薬」というと、草木の根っこをぐつぐつ煮て煎じたものをグビッと飲むようなイメージがあるかもしれません。ですが、それは古典漢方のことで、現代の漢方薬はちがいます。
漢方薬と言えば大手製薬会社のものや中医由来のものがありますが我々の使う漢方は、今、生きている動物たちのために合わせた食べやすい食品由来が中心の、漢方サプリメントなので、錠剤や粉、カプセル、水溶液とさまざまな形態があり、昔に比べると随分飲みやすいものへとなってきました。
また特に、我々ペット漢方研究会で食べやすく、有用性が高い物を検討して製品化しました。
ですから、獣医師として私が使用している漢方薬は、すべて現代漢方(近代漢方)で、飲みやすいものです。
現代漢方薬への想い
「飲みやすければそれでいいのか」
以前、できるだけ飲みやすいものをという思いから、チーズ味をつくったことがありました。しかし、すぐに「やっぱり止めよう」となりました。
なぜなら、チーズにアレルギーがある子にとっては使えないからです。確かにチーズは好まれる味です。でも、すべてのペットがアレルギー検査を受けているわけではないので、もしも、アレルギーがあったら症状が悪化してしまうことだって起こりえます。
様々なペットの体質に合わせるため、そのような飲みやすさは、極力省くようにしています。味をつけなくても、苦くはないもの、飲みやすいもの。獣医師として、今後もそういうものを開発していかなければと思っています。
東洋医療と西洋医療のちがい
本来、西洋医療も東洋医療も、いのちを救うために存在しているはずです。
西洋医療が、いかに悪いものをやっつけるかという点を重視した対症療法に長けているのに対して、東洋医療は、悪いものそのものに働きかけるのではなく、その根っこに潜んでいる問題を探り出し、いかに体内に備わっているチカラを活かしてやっつけるかという原因療法に長けています。
抗癌剤を使用しなくなった理由
わたしが抗癌剤を使わない最も大きな理由としては、効果よりも副作用の影響の方が大きいケースが、あまりにも多過ぎたということです。
抗癌剤や放射線治療を否定しているわけではありません。
獣医師である以上、私は現代医療を中心とした西洋医学を学んできました。病院をやっていた頃は、毎日手術をこなし、抗がん剤や放射線などの治療も取り入れていた時期がありました。だから、それらの治療も必要だと思いますし、使い方次第だと強く感じます。