犬・猫の腹水の漢方対策
犬・猫の腹水ってどんな病気?
腹水とはその言葉の通りに、お腹に水が溜まっている状態のことを指します。健康な子の腹部には臓器のみが存在して液体はほとんどありません。
しかし、病気によって主に臓器から染み出てきた液体が腹部に溜まることがあり、それが腹水と呼ばれています。外見はポッコリとお腹が出ているような状態に見えるので、体調の悪い子でお腹が膨れてきたら腹水が溜まってきているかもしれません。
腹水が溜まっている時にはすでに病気が進行している場合が多いため、全身的にも体調が悪くなっていることが多いですのですぐに動物病院に連れていく必要があります。
犬・猫の腹水の治療方針
腹水は病気によって出てくる液体ですので、治療方法としては原因となる病気を治す必要があります。
そして原因となる病気を考えるためには腹水の性質を調べる必要があります。
まずは動物病院で腹水を抜去して、比重、タンパク質濃度、細胞数などを測定することで腹水の性質を調べます。
それぞれの腹水の性質について、疑われる病気は次の通りです。
漏出液
タンパク質濃度や細胞数は少ない性状の腹水です。
心臓など循環器の病気や、血液中のタンパク質が低下が原因となります。
心臓病などで血液の流れが滞ってしまったり、血液自体の濃度が薄くなってしまった結果、血管からお腹の中に液体が染み出てきてしまっている状態です。
変性漏出液
変性漏出液は漏出液と似ていますが、細胞数が増えタンパク質濃度が若干上昇した性質を持ってる腹水です。
漏出液が貯留してその後変化したことで生じるため、漏出液と同じような循環器の病気が原因となります。
漏出液
タンパク質濃度が高く細胞数が変性漏出液よりも沢山含まれている腹水です。
消化管など腹部臓器の炎症や膵炎など腹部臓器の異常が原因となります。
その他の腹水
上にあげた腹水と別に血液や尿などを含んでいる場合もあります。
血液であれば腹部臓器からの出血、尿であれば膀胱破裂などが原因と疑われます。
また腫瘍などが存在する場合には腹水中の細胞に腫瘍細胞が認められる場合があります。
いずれにしても腹水の貯留が存在する場合には病気の存在が疑われますので、すぐに動物病院で検査を受ける必要があります。
腹水になぜ漢方薬を使うのか?
腹水が貯留している場合、根本的に治療するには原因となる病気を治療する必要があります。しかし原因によっては完治することが難しい場合があり、その場合には腹水が何度も溜まってきて生活に支障が出てきてしまいます。
原因となる病気の治療と共に漢方薬を併用することで体質改善を行い、腹水の貯留を遅らせる可能性があり、より生活の質を落とさずに過ごすことができる場合があります。
腹水でお困りの飼い主さまは、是非一度ご相談ください。